*本展望はあくまで著者の個人的解釈であり、特定の暗号資産銘柄を推奨するものではありません。また、暗号資産取引等の勧誘を目的としたものでもございません。当社は情報提供のため関連するコンテンツを掲載しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

私、Taishiの予想するホットトピックは「オンチェーンの資本効率改善」である。

理由は以下のとおり。

オンチェーン市場の資本効率が改善すると予測する。特にYield Trading、Filler及びCuratorの発展により改善が進むだろう。

Yield Trading

オンチェーンYield Trading市場に関しては、Pendleの躍進により市場自体が認知されていると言える。さらに、日本人FounderのYusuke Osoegawa氏が率いるNapier FinanceはPendleとは異なるmodular形式でのアプローチで差別化を図っており目が離せない状態だ。DeFimansのco-founder & CEOのTaishiがプロジェクトの超初期からアドバイザーを務める肝いりプロジェクトでもある。

Yield Trading領域では、PT(即ちゼロクーポン債)のレンディングプロトコルへの担保化が進み、過少担保型レンディングの登場やレバレッジポジションの最適化が図られると見ている。現に、Euler v2等で一部担保化が始まっており、革新が始まるのは時間の問題だろう。

このように、レンディングプロトコルとNapierやPendleが連携することで、レンディングプロトコルのlooping機能を応用し、TradFiではオファー出来ないような固定金利プロダクトのオファリングが始まるのではないだろうか。Napierの目指すPT・YTの民主化はこの流れを加速させるだろう。

Curatorの役割

ここで重要になるのがCuratorの存在だ。例えばGauntlet、MEV Capital、Stakehouse financial等がCuratorとして活動している。

Curatorは戦略巧拙が最大の差別化要素となる。事実、Euler v2(Euler v2ではgoverner)やMorphoでも、Curatorのstrategyによって同一通貨での流動性供給でも利回りが異なることがこれを顕著に表している。一方、優れた運用戦略を提示し、運用実行することは本来オープンであるべきだ。Curator以上に優れた運用戦略を提示できるdegenは多く存在する上、任意のオンチェーンユーザーが複数人で民主的に戦略をオファリングしても良いだろう。

Curatorの分散化は2025年に課題が顕在化する可能性があるものの、私はCurator、Yield Tradingプロトコル、レンディングプロトコルの3者がプロダクトベースでのイノベーションのカギを握っていると考えている。オンチェーンのイノベーションはこれらの領域が発展することで急加速すると予測しており、それは2025年に起こるのではないだろうか。

IntentメカニズムとFiller

同時に、intentの発展により取引利益最大化やスピードの向上、ガス代の肩代わり等のソリューションが増加しUXを向上させるだろう。事実クロスチェーンメッセージングが増加しているため、より取引手数料の安価なintentsの需要が高まると言える。この流れを受けてトランザクションの実行を担うFiller(relayer)の存在感も同時に高まるはずだ。

しかしながら、これらのプレイヤーの戦略はブラックボックス化しており、分散化の遅れが課題となる。だがSSV等のdistributed validator technology(DVT)やリステーキング同様分散化は不可避であり、Fillerにおいてはダッチオークション戦略、レイテンシー、Reth Execution Extensions (ExEx)の活用方法等が差別化要素となる。

Filler(relayer)の事例として、例えばUniswap LabsによるAcrossを利用したin-app bridgingによるcrosschain swapの資本効率及びUXの改善に取り組んでいる事例が挙げられる。一方、現状のFiller(relayer)は、プロトコルのコアチームが直接動かしているか、マーケットメイカーが動かしている(Uniswapはwintermuteやtokka lab, DLNはrockaway X等)ため、2025年には中央集権化(少なくとも少数プレイヤーによる寡占化)が問題視されると考えている。

分散化の課題

以上より、分散化の遅れが課題となるCurator及びFiller(relayer)はDVTやリステーキングのような歴史を辿り、ユーザーから資産を集めて運用する仕組みが発展していくのが2025年になると見ている。特に、分散型Solver aggregationに取り組むMikiは好事例だ。DeFimansのco-founderであるMitsushi及びTaishiがベンチャーパートナーを務めるDecima Fundのポートフォリオカンパニー、AndLawの提供するMikiは、日本人創業者であるGoki Kato氏が率いるテックドリブンなチームであり、本領域にて分散型プロトコルの開発に取り組んでいる。

このようにCurator、Yield Tradingプロトコル、レンディングプロトコルによるオンチェーン運用戦略高度化、crosschain swapのUX改善、CuratorやFillerのcapital effcientなオファリング及び分散化が進みオンチェーンの資本効率が改善する。これによりエンドユーザー向けの高度な運用戦略へのアクセスも加速するはずだ。

DYOR。

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