【DeFimans Mondays#6】20代はマーケットをどう捉えている?21世紀生まれの世界観~web3の普及part~
※本記事はPart2です。Part1をまだご覧でない方はぜひ先に下の記事からご覧ください!☟
[DeFimans Mondays]は、月曜(不定期)夜20時より、web3コンサル会社DeFimansの業務の裏側やトレンド話、パートナーをゲストに加えて「web3あれやこれ」をお伝えすべく開催された、X Spaceのトークセッションです。
12月4日(月)に開催された第6回目では、「20代はマーケットをどう捉えている?21世紀生まれの世界観」というテーマで、若手メンバーとしてDeFimansアソシエイトの山田・櫻井と、COO坂上を交えトークセッションを行いました。
リアルタイムでは参加できなかった方は、上のポストからアーカイブを聴くことができますので、ぜひ聞いてみて下さい!
web3の魅力は若さとスピード
櫻井:若者をいかにweb3界隈に巻き込んでいくかという話ですが、web3をはじめとするテクノロジー人材の育成・強化については山田さんはどうお考えですか?
山田:これに関しては高校生以上と、小中学生で話が変わってくると思っています。高校生以上や大学生で「実際に自分が将来何をやりたいか・就職して何をしたいか」を見据えてる人に関しては、web3がどれだけ若い人中心の業界かということをアピールすることが重要だと思います。この業界は本当に国内外問わず若い人が企業やプロジェクトのトップを務めてその第一線を走り、業界を牽引していると言えます。これほど若い人が社会にインパクトを与えられる業界は少ないんじゃないかっていうぐらいですね。
櫻井:仰る通りだと思います。現在就職活動を行なっている友人もいますが、いわゆるジョブ型採用を目指している人が多いようで、彼らは若い内から裁量が持てることも魅力に感じているのではないかと思います。
山田:あとはスピード感ですね。若い人がトップにいることに加えて、スピード感があることです。先月は日本でプロジェクトやっていた人が、今月はドバイに行って起業してたみたいなことがしょっちゅうあります。業界そのものが成長過程なので、昨日の常識が、今日の非常識になっているっていうこともありえる変化の激しい業界だと日々感じています。
櫻井:このようなスピード感や若さというのは、中々他の業界では無いことなのではないでしょうか。我々も若手メンバーという肩書きで今回登壇させてもらっていますが、DeFimansの他のメンバーの方々もお若いですよね。
山田:30代前半に多くのメンバーがいらっしゃるので、普通の会社に比べたら圧倒的に若いことは間違いないです!
明光ネットワークでの取り組み
山田:次に実際に私たちDeFimansがweb3に関する教育であったり、web3をどのように認知拡大しているかということについて、お話させていただきます。
先日、明光ネットワークジャパン様と一緒に共同ワークショップを開催いたしました。明光ネットワークさんは普段から、学校の授業や普通の塾のレッスンでは得られないようなイベントを企画されているのですが、その一環として、弊社共同代表の小野と私で「web3とは何か、ブロックチェーンとは何か、プロから学んでみよう」というイベントを開催して、web3の概念を子供たちにご説明して参りました。
櫻井:なるほど!実際子供たちの反応はどういったものだったのでしょうか?
山田:web3は非常に難しい概念だと改めて考えさせられましたが、子供たちに分かりやすい説明方法として、たどり着いたのが、 やはり「みんなで管理」というキーワードでした。こちらはブロックチェーンやweb3という難解なバズワードにとらわれずに、皆さんすっと理解してくれました。例えば分かりやすい例で言うと、宿題って先生が独断で出すことが多いと思いますが、「宿題をみんなで決められたらいいよね」というシナリオに置き換えることによって、子供たちがブロックチェーンの概念を理解してくれただけではなく、web3の分散型のメリットとして共感してくれた子が多いように感じられました。
櫻井:子供たちの理解力は本当にすごいですね。今更の質問にはなりますが、その子供たちはどのくらいの年齢層だったのでしょうか?
山田:主に小中学生になります。
櫻井:中学生!我々よりもさらに若い世代ですね。
山田:もう圧倒的に下の年齢の子たちですね。いわゆるα世代という世代で、2013年以降生まれの、要するに10歳以下の子たちの世界観だったので、色んな反応が得られて新鮮でした。
既存金融からの後押しがweb3のマスアダプションの鍵
山田:ここまで大学生の間での認知度だったり、子供たちの間でのweb3に対する反応についてお話してきましたが、今度は櫻井さんが今注目してるweb3の分野についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
櫻井:はい!直近で子供たちが簡単にweb3・ブロックチェーンに関して理解してるみたいな話があったうえでお話するのも恐縮ですが、やはりweb3やブロックチェーンという技術的に理解することやウォレットのような仕組みを利用していくのが難しい領域だと思います。
それを踏まえたうえで、「web3をどのようにマスアダプションしていくか」、「マスアダプションしていくためにどのようなサービスが必要か」という点はweb3の業界人として考えていきたいと思っています。
例えば現在、このアプリはPythonで作られてるとか、今使っているGmailやGoogle Docsのようなシステムはこういう風に動いてる、といったことを理解して使っている方は少ないと思います。
本来、web3やブロックチェーンといった類のものはインフラの話であって、それが一般人に広く使われるような段階になるためには、現在の参入ハードルや、煩雑さを無くす必要があると思っています。それがどうなされていくのか、楽しみにしつつ注目していきたいです。
山田:本当に仰る通りだと思います。web3の「キホンのキ」って言われている、ウォレットを用意することすら普通の人にとっては相当難しいと思います。AI業界の「キホンのキ」にあたるようなChatGPTですら、ものすごくシンプルなUI・UXを持っているのにも関わらず「使い方が分からない」だったり「そもそも存在を知らない」という方は、かなりいらっしゃるので、クリプト業界にとってのウォレットや技術面の理解の難しさは大きな障壁になっていると思います。
櫻井:ウォレットやプライベートキーがあることは、資産や情報を自由に管理できるというメリットがある一方、無くしてしまうリスクや情報漏洩の危険性を自分で背負うことになってしまうので、一般の方にとってその仕組みがメリットになるかデメリットになるかは、まだ不明なところですよね。
山田:web3のマスアダプションを進めていくにあたって、必要となるのは、既存のペイメントサービスや金融プラットフォーム上で、直接クリプトを購入できるという、まさにメルカリさんがやってるようなことが、火種になると思っています。 櫻井さんが仰るように個人個人でウォレットのIDやデバイスを保存しておくのは中々難しいことです。既存ペイメントサービスは一般化した金融サービスであるので、そのプラットフォーム上にお金が入金されていて、ボタン1個でクリプトを購入して受け取るというプロセスができれば、これからマスアダプションの鍵になるのではないかと考えています。
櫻井:やはり最初はウォレットやプライベートキーといったものはカストディ的な形で普及していくんですかね?
山田:自分はそう思います。
web3とクリプトを分けて考えると、特にクリプトのマスアダプションの方が先に進んでいくと思っています。クリプトは腐ってもweb3のバックボーン・背骨なので、櫻井さんも含め大多数の人にとってのこの業界入口でもあり、業界の根幹を左右するファクターです。例えば、ビットコインが加熱してるか、冷え込んでいるかによってweb3プロジェクトが、いくつも誕生したり消えたり、取引所が生まれたり潰れたり、VCによる投資額が増えたり減ったり、非常市況の煽りを受けているので、結局は暗号資産を持つ人間の増加が、web3自体の発展への近道だと思っています。
櫻井:自分もそう思います。今(2023年末)、ビットコインのETFがどうなるかみたいなニュースが日系のメディアでも取り上げていただいてることが増えてきたので、これを機に web3暗号資産が、より世間に知られればいいなと思っています。
山田:ETF承認によって海外の金融機関や、既存の金融プラットフォームが本格的にweb3に参入によってマスアダプション進んでいくのかなっていう気持ちが、私としてはしています。
求められる価値を提供するweb3である必要性
山田:時間が迫ってきましたので、次のトピックに移りたいと思います。「20代とそれ以上の方のスタンダードの違いってどんなところなの?」という議題について弊社COOの坂上から質問をいただければと思います。
坂上:ここまでのセッション、ありがとうございました!ここまでのお話から、ご質問です!
山田さんへ質問です。「友人とお話してる中で、個人で管理することに拒否感がない」というキーワードと、明光さんのお話で上がった「学校で、宿題を皆で(DAOのように)管理する」というキーワードについて着目させていただいていましたが、個人で管理することに拒否感がない=みんなで管理する、という考え方は世代ごとに変わってきているのかなと思っています。
僕の世代で言うと、小学校の頃、手帳みたいなものに名前・好きなもの・食べ物など友達のプロフィールを書いてもらうものが流行ってたんですね。要するに、情報をひたすら出させて、一方でそれを集めるみたいなことです。それに対して誰も抵抗ないんですよ。
今の世代はどちらかというと、そもそも個人情報を出さない、すなわち「情報は自分の中で秘しておくべきもの」というスタンダードなのかなと私は捉えています。おそらく山田さん、櫻井さんも、その世代という認識ですが、その点いかがですか?
山田:私の小学生・中学生時代はSNSやLINEが完全には普及していない世代だったので、情報管理に関する意識はそれほど無かった気がします。
ただ、少しずつクラスでもスマホを持ってる方が多くなり、みんなでLINEを交換し始めましたっていう段階ではあったので、時々人間関係のトラブルが生じていました。色々とごたごたしてるのを見て、「LINEで誰と繋がるか、誰にどんな情報を伝えるか」に関して気をつけなければいけないという意識を持ちました。
櫻井:若い世代として登壇させてもらってる2人の中で意見が食い違ってしまって恐縮ではありますが、自分の印象では逆に、外部に自分の個人情報を載せる行為にそれほど抵抗がないんじゃないかなと思っています。自分は山田さんよりも更に少し下の世代にはなりまして、小学生の頃からも基本的にLINEやスマホが身近にありました。
当時LINEに、投稿欄と言うのでしょうか、テキスト を載せられる、Twitter(現:X)のような機能があったのですが、「自分の好きな色・誕生日・席が前の人に一言・左の人に一言を書いて、最後に友だち3名をメンションして、終わり!」みたいな ものがすごく流行ったんですね。思い返すと、自分の全てを載せてしまっていたな、と思いますね(笑)
そういった文脈では、インターネット上に個人情報を載せることに(この世代は意外と)抵抗はあんまりないのでは、と思っています。
坂上:なるほど。ちなみに、投稿した時に誰に共有するイメージですか?
櫻井:そもそも誰に公開されているのか把握してない状態でしたね(汗)恐らくはLINEの友だちです。
坂上:いわゆる炎上するようなコンテンツを投稿してトラブルに見舞われる事態を経験・見聞きするような年齢も早かったと思われますが、そういった際に、行動を変えよう・管理の仕方を変えよう、といった変化はありましたか?
櫻井:アカウントの使い分け をしている人は沢山いました。Twitterやinstagram、FacebookのようなSNSにはプライベートアカウントにする機能があると思いますが、全体向けに発信してもいいよなっていう内容と、個人的な愚痴や交際状況に関する事を載せるようなアカウントを分けて使っている人が大多数でした。
山田:裏アカというやつですね。
坂上:なるほど。自分が出す情報の管理をすることは、割とスタンダードになっているという認識です。
私の世代まで遡ると、そもそもそういった種類分けをする実行手段がなかったんですね。
web3をどのようにして広めるか、みたいなお話があったと思いますが、そちらに紐付けると、私はそもそもweb3を広げる必要はないと思ってます。それよりも、ユーザーが価値を求めてるのかということが大事だなと思っています。
先ほどの情報管理についても、分散して管理した方がお互い牽制・統制し合うことができて、よりセキュアに管理できるのであれば買おう、という判断になりますよね。。そこの価値をいかにユーザーが感じられるか、そこに尽きるのかなと考えています。
山田:経済合理性を作り出すという点は仰る通りで、web3というモヤっとした概念 にいま、賛同してくれるということを目的とするのではなくて、あくまで、その経済合理性に照らし合わせて、一般の人たちが、「うちはweb3サービスを使おう」と思うようなキッカケを作っていくことが真の目的であるべきですね。それを履き違えてはいけないのかもしれません。
坂上:いえ、目指すものを制限するつもりはありません。それぞれが目指す世界観を追い求めて良いかと思いますが、広がる上では経済性が非常に重要なファクターだという点です。ただこれはニワトリと卵みたいな関係とも言えるかもしれません。
車を例に出しますと、「環境に優しい電気」ということで最初はやっていたと思いますが、走行距離は短くて、維持・購入費用は高いし、という状況では経済合理的とは言えないですよね。
それでは「テスラの価値は当時なんだったのか」ということを考えると、「環境に優しい車に乗ってることがかっこいいというステータス」をみんな買っていたんですね。もしくはスタイリッシュ。少しデザインが流線形でフォルムがかっこいいとかがこれに当たります。必ずしもこう、安い高いではない部分があると思うんですけど、そういった付加価値を少なくともテスラは提供できていたと私は思っています。
web3でもサービスを開発する時にも、 そういう価値をしっかり意識して、「誰にどういう価値を提供するのか、それを価値と感じてお金を支払ってくれるのか。」そこをしっかり見定めてビジネスを考えていかないと、単なるバブルで終わってしまうと私は捉えています。
山田:そうですね。私も老若男女に関わらず、そのようなアプローチが必要なのかなという認識でいます。
いかがでしたでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました!
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