『BCGはどうすればマスアダプションするのか?』ー初期参加ハードル簡易化とその道筋
DeFimansは2023年12月21〜22日に国立新美術館で行われたweb3イベント、web3BB Tokyoに参加いたしました。師走のお忙しい中、会場にお越しくださった皆様有難うございました。
弊社シニアアソシエイト山口は1日目の『BCGはどうすればマスアダプションしていくのか』セッションにスピーカーとして登壇させていただきました!
目次
- 1 セッションコンテンツ
- 1.1 Q1 加藤さん [M]:髙橋さんはEGGRYPTOというゲームを制作されていて、すでに累計150~200万ダウンロード・四半期単位での売り上げが1.4億を突破している。このような数字を叩き出せた秘訣とは?
- 1.2 Q2 加藤さん [M]:吉田さんが制作しているweb3ゲームSNPITの内容、およびなぜNFTで1.5億の売り上げを出せているのかを伺いたい。
- 1.3 Q3 加藤さん [M]:BCGのマスアダプションに向けて、重要になる点は?
- 1.4 Q4 加藤さん [M]:SNPITはすでにユーザー層ごとにSNSの使い分けをしているが、BCGにweb2ユーザーを取り込むにはどのような施策が有効か?
登壇者一覧(敬称略)
吉田 健一 (CTO、株式会社GALLUSYS)
山口 公徳(Senior Associate、株式会社DeFimans) 髙橋 拓磨( 代表取締役、株式会社Kyuzan)
加藤 貴一 [M] (COO、株式会社 SHINSEKAI Technologies)
セッションコンテンツ
Q1
加藤さん [M]:髙橋さんはEGGRYPTOというゲームを制作されていて、すでに累計150~200万ダウンロード・四半期単位での売り上げが1.4億を突破している。このような数字を叩き出せた秘訣とは?
髙橋さん:EGGRYPTOは2015年から開発を開始していたが、その頃のBCGは初期参加のハードルが非常に高かった。CryptoKittiesやAxie Infinityは全部ブラウザーベース、かつETH建てでのNFT購入がプレイ開始に必須だった。そこで、Kyuzanでは自社開発のゲームをモバイルアプリにして、すぐユーザーがNFTを入手できる仕様にすると決めた。ゲームとしては、いかに新鮮さを届けるかに焦点を置いた。毎日ホーム画面に出現する金の卵からNFTが当たるかも、という宝くじ的なからくりでユーザーに新しい体験を与えつつ、可処分時間を奪わないようにゲームを設計した。
Q2
加藤さん [M]:吉田さんが制作しているweb3ゲームSNPITの内容、およびなぜNFTで1.5億の売り上げを出せているのかを伺いたい。
吉田さん:SNPITはSTEPNのスニーカーがカメラになったゲーム。そこにユーザー同士が撮った写真のクオリティを競い合うというバトル・投票要素も加えていて、バトルに勝てばトークンを報酬として付与する設計。ゲームとバトル、それぞれ別の面白さがユーザーに刺さったのではないかと思われる。秋元康先生がアドバイザーとして入り、親会社経由の株式クラスタも参入してweb3の垣根を超えた多様なユーザーがサービスに流入したことが大きな成長要因だった。(髙橋さんに向けての質問)アプリ内へのウォレット組み込みは困難だったか?
髙橋さん:アプリはリリースに漕ぎつけたものの、突然AppleからBANされたので担当者と電話で直接交渉した。Apple StoreにもGoogle Play Storeにも当てはまることだが、アプリに決済機能を搭載すると問題視される(ウォレットでNFTを受け取ることに関しては何も言われない)。
Q3
加藤さん [M]:BCGのマスアダプションに向けて、重要になる点は?
山口:ゲーム開始段階でウォレットの必須化を避けられるかが関門になる。ハードルの高いウォレット作成がマストとなっているゲームは、カジュアル層には届かない。私が制作に関わっていたPrompt Monstersでも、AIで独自のモンスターを生成するところまではウォレットが必要ない仕組みになっている。これが原因でゲームを触ってくれるユーザーも増えた。またシンプルなゲームである点も重要である。手軽に遊べる+ポイントも貰える、という点が多くのユーザーにとっては魅力的になると考えられる。
加藤さん [M]:2010年頃のスマホゲー黎明期には無料でプレイできるゲームが登場したことが革命的で、DeNAさんやGREEさんがそこで一気にユーザーを獲得した。今のBCGは初期課金を必要としているので、全く逆の道を歩んでいる。ユーザーがゲームを無料で始めてから、その後順次課金していくシステムを導入することがBCGの勝ち筋だ。
Q4
加藤さん [M]:SNPITはすでにユーザー層ごとにSNSの使い分けをしているが、BCGにweb2ユーザーを取り込むにはどのような施策が有効か?
吉田さん:Discordなどではなく、LINEやInstagramなどシンプルなSNSに移行することでユーザー増加が見込める。若者を惹きつける施策としてはweb2サービスを見習い、他IPとの連携を通してユーザー増加を狙っていく。
髙橋さん:よりBCGをオープンにしていくべきで、なぜアイテムの交換・売買によってゲームが面白くなるのか?を運営は考える必要がある。EGGRYPTOでは、自分用だけではなく他人をブーストするためにもゲームアイテムを使用できるようにしている。また、セカンダリー売買PFでの取引を可能にしたり、日本のクレカでアイテムを買えるような仕組みを整備すればゲーム認知度の急速な拡大に繋がるのではないか。
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BCGのマスアダプション(=新規web2ユーザーを呼び込む)にはウォレット作成・初期課金をはじめとする参加ハードルの簡易化、そして従来型のSNSサービスの利用や他IPとの連携が必要ということがセッションのポイントでした。
ブロックチェーンや、その他web3事業についてお悩みのある方はぜひDeFimansへご相談下さい!