弊社Managing Directorの武田 恭治は、2023年12月度Web3BB1日目の「DAOは本当に機能するのか?」パネルに登壇し、地方自治体の実情とDAOを含むweb3に関する知見を組み合わせた観点から対談させていただきました。

パネルには、業界に精通したweb3のプロフェッショナルがずらりと並んでおり、ディスカッションテーマであるDAOに対し、そもそもの定義や実社会への導入障壁についてお話されました。

登壇者一覧(敬称略)

  • 上田敏孝[M](代表取締役CEO, 株式会社DAO)
  • 飯島春樹(COO, TIPWAVE)
  • 武田 恭治(Managing Director, 株式会社DeFimans)

セッションコンテンツ

Q1 
上田 [M]:DAOは本当に機能するのかという点について、今後どうなっていくのかという部分も含めお話し出来ればと思います。まずは簡単に自己紹介いただければと思います。飯島さんからお願いいたします。

飯島:TIPWAVEというウォレットを作っているNextmerge株式会社でCOOをしております、飯田と申します。 今回、DAOに関しては、「DiscordやTwitterのようなSNSでウォレットを誰でも簡単に作れる」といったプロダクトに関わっておりまして、さらに個人では国策に対して提言していくようなコミュニティで活動しておりまして、 来年あたりの国会でDAO法人といったものについて審議される予定になっておりますので、その辺りの知識を交えてお話できればと思っております。

上田:よろしくお願いします。次に武田さん、お願いいたします。

武田:株式会社DeFimansの武田と申します。 弊社は、web3プロフェッショナルファームとして、web3に関わる事業をやってみたい・やっていて壁にぶつかっている、というお客様に対して、web3に関わるトータルサポートをさせていただいております。 具体的には事業の立ち上げから、トークンの設計・発行、トークノミクスの構築など、web3に関する事は一気通貫サービス提供できるところが強みになっております。

DAOに関しては、web3を地方創生に活用していきたいというお客様もいらっしゃったので、そういったところを、本日は、お話しできればと思っています。よろしくお願いします。

Q2
上田 [M]:DAOの定義について、どのようにお考えでしょうか?

飯島:色々あるとは思いますが、私はやはり まずビットコインがDAOに近いかなとは思っております。DAOを分解していくと、トークンで資金集めができ、それによって(トークンのステークホルダーが合理的に動きやすくなるため)ガバナンスが利かせられることが一つ、そしてコミュニティ内で匿名性が保たれることの二点があると思います。

その匿名性という部分でよく議論されるのが、外部に情報を出さないといったことだと思いますが、匿名で完全に法人を立ち上げるってのはかなり厳しいので、やはり、ある程度外には人を見せる一方で、派閥争いのような点にエネルギーを使わないようなコミュニティ設計をしていくことが、DAOっぽい何かを作る上で大事なのではと考えています。

上田:「DAOっぽい何か」というお話をされたと思いますが、今国内でDAOを全面的にやることは私もかなり難しいと思います。

飯島:そうですね。単にトークンやブロックチェーンを使ったコミュニティでいいと思っています。僕の定義としては、結構シンプルな、行動ローと呼ばれるようなアルゴリズムに紐づいた組織とは思ってます。

武田:僕は、よりシンプルに、同じ思いを持った人が、そこに関わって同じ方向を向いて歩んでいくための手段としてDAOがあると思っています。身近なところで言うと、WikipediaはDAOに近いですね。「インターネット上で誰でも見れる辞書を作るんだ」という思想の元、色んな人が自分のページの管理者になって編集して、その編集に対して送られたリクエストを承認する、みたいな流れがDAOらしいと思います。

https://note.com/defimans/n/n95f09c96f557

Q3
上田 [M]:DAOを法人として立ち上げるとなった時に、どのようにスケールさせていけばよいとお考えでしょうか?

飯島:手段に近いものだと思っていて、例えばNPOのような社会的に意義のある団体において、資金調達の難しい部分から導入していくことがいいのではと思っています。株式などでの資金調達が難しい状況において、トークンを用いることによって活躍してくれた人に対してインセンティブを付与することができ、再投資するようなこともできることが利点だと考えています。

武田:私も非営利的な部分、すなわちお金目当てではない部分で導入を進めていく事がいいと思っています。既存の株式会社の社内でDAOを立ち上げたとしても、エンゲージメントを高めるためのポイント活用的なレベルに留まってしまう。DAOを法人として立ち上げることに関しては、株式会社・合同会社・その他法人でメリット・デメリットを整理した上で、DAOが最適であれば立ち上げれば良いと思います。

Q4
上田 [M]:クリプトが実社会で使えないことがDAOを導入する上での1番の障壁になっていると考えているのですが、この点お二人はどのようにお考えですか?

飯島:自分はトークンを日本円に換える必要のないエコシステムを作ることが大切だと思っています。価値を見出すのはコミュニティの中にいる人達なので、そのトークンによってNFTを購入することができる、といったユーティリティによって価値の循環を生み出すことができれば、必ずしも暗号資産に換える必要はありません。

決済部分については解消される必要があると思っています。弊社でDiscordやXのIDを持っていれば誰でも使えるようになるウォレットを作っているので、店先での決済速度が実現出来れば3年ほどで実装できる見込みです。

武田:法整備、特に税金関係や会計周りが一番のハードルになると思っています。また、ステーブルコインが解禁されたことに伴って、今後その普及具合によっては、ステーブルコインとトークンの交換によって、国内での普及を考えるならば、間接的に決済で使えるようになっていくのではと考えています。

Q5
上田 [M]:地方創生とDAOはどのようなシナジーを持って実社会に影響していくと思いますか?

武田:地方は過疎化が進んでいて、自治体でも人手が足りない・財政的に厳しいというところが多いので、デジタル市民などの方策で関係人口を作っていくことが大事だと思っています。地方自治体は非営利組織の最たる例で、そこに住んでいる人全てをお客さんにしなければならないという特性上、全ての住民に手を差し伸べなければならないのです。そこに生じる物理的な限界に、DAOやブロックチェーンのようなテクノロジーを使って、皆んなで解決する方向に舵を切っていく事が、普及への訴求ポイントになっていくのかと考えています。

飯島:通貨の観点からは、地域通貨として既にクーポンなど発行されてる自治体は結構あるりますが、それがブロックチェーン上に乗せられることによって、さらに流動性を上げて、例えば「横浜市内の特定の加盟店では使えますよ」といったような状態にしておけば、他に富が流出することもなく、しっかり地方に還元されるっていう仕組みが作れると思います。そのようなことが全体でできると、非常に効率よく、地方にも富の分配がなされるのではないかと考えています。

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今回のセッションでは、DAOと実社会を結びつける上でのメリットや導入障壁についてディスカッションがなされました。

ブロックチェーンやその他web3を絡めた地方創生や社会実装についてお悩みのある方はぜひDeFimansへご相談下さい!

文:櫻井