web3事業でのトークン発行をご検討される方にとって、トークノミクス設計は非常に重要なテーマではないでしょうか?

トークノミクス設計とは、外的抗力や内部の需給バランスに起因するトークン(または暗号資産やステーブルコイン)の大きな価格変動を防ぐ対策、およびトークンの長期的価値向上を目的とした施策の総称です。

弊社DeFimansでは、トークノミクス設計、トークン価値向上に係る施策提案・実行、及び取引所上場までのサポートを一気通貫で行っております。web3事業を始めようとお考えの方・トークン発行をご検討されている方は、ぜひお問合せください!

トークン発行・トークノミクス設計における必須知識、Value Accrualとは?

トークンを発行する際、その価値を維持・向上させる方法を理解することは、プロジェクトの成功にとって不可欠です。トークンの価値維持には、エコシステム内での需要を長期にわたって確保し、価値をエコシステム内に収斂させる戦略が必要です。このプロセスは「Value Accrual(価値集約)」と呼ばれます。

Value Accrualの基本的な考え方は、「トークンがエコシステム内で特定の役割や機能を果たし、その結果としてユーザーからの需要が生まれる」という考え方です。この需要は、トークンの価値を支え、時には価値を高める原動力となります。しかし、単にトークンを発行して市場に投入するだけでは、長期的な価値の維持や向上は期待できません。エコシステムへの再投資効果的なガバナンス構造の確立、そして適切な流通管理戦略が必要となります。

まず1つ目の手段として収益をエコシステムの成長や拡大に再投資することで、トークンの使用価値を高め、より多くのユーザーを引きつけることが可能です。2つ目のガバナンスは、トークン保有者がエコシステムの運営や方針に参加し、意思決定を行うプロセスを通じて、エコシステムの健全性と透明性を保つ仕組みです。最後に、ディストリビューション・マネジメントは、トークンの供給量や流通方法を管理する目的でプロトコルが自社トークンのバイバック(買い戻し)やバーン(消却)を行うことにより、市場でのトークン価値の安定を図る戦略です。

これらの戦略を総合的に実施することで、トークン発行者はエコシステム内でのトークンの価値を維持し、さらには向上させることが可能となります。トークンの価値維持は、単に経済的利益を追求するだけでなく、エコシステム全体の持続可能な成長と発展に貢献することを意味します。このようにして、トークン発行は、単なる資金調達手段としての役割を超え、新たな価値創造の源泉となるのです。

トークンの「価格」と「価値」の違い

価格とは、限定的なトークンサプライに需要があることを示す外部指標であるため、客観的な指標です。一方でトークンの価値とは、継続的な需要の創出によってエコシステム内に形成される、そのトークン以外には付与されない機能上の排他的性質を指しており、明確な数値によって捉えることは難しいです。

「価格」の定義

価格はトークンの現在の市場価値を反映するものであり、外部の経済環境や市場参加者の心理、トークンに関連するニュースやイベントなど、多くの要因によって変動します。

価格の変動は、トークンの需要が増加することによって引き起こされることが多く、これは新しいユーザーの参入や既存ユーザーの活動増加によるものです。また、供給量の変化、例えばトークンのバーンや新たなトークンの発

行も価格に影響を与えます。価格は、トークンの短期的な人気や市場の感情を反映するため、時には急激な上昇や下落を経験することもあります。

「価値」の定義

「価値」とは、トークンや資産が持つ内在的な特性やエコシステム内での役割に基づく評価です。これは、トークンがユーザーやエコシステムに提供する具体的な利益や機能、使用可能性によって決定されます。価値は、単に市場での取引価格によって測定されるものではなく、トークンが持続可能な需要を生み出し、エコシステムの成長に貢献する能力に結び付けられています。

トークンの価値は、そのユーティリティ、つまり使用価値に大きく依存します。例えば、あるトークンがデジタルアセットの取引、ガバナンス投票、ステーキング報酬の獲得など、複数の用途で使用できる場合、その多様性はトークンの価値を高める要因となります。また、トークンがエコシステム内で独占的なサービスや商品へのアクセスを提供する場合、その排他性が価値を生み出します。

トークンの価値向上には、Value Accrualが必要

つまり、トークンの価格上昇とトークンの価値向上はイコールではありません。例を挙げると、特定のNFTを独占的に販売するマーケットプレイスでNFTを購入したい買い手から、トークンへの需要があるにもかかわらず、売り手が別のプラットフォームでトークンを売却することにした場合、価値は捕捉されません。新たな価値は創造されず、ただ価値の移転が行われたことになります。トークンに価値が発生するためには、当該プロトコル内に価値が還元されなければいけません。

その逆も然りであり、トークンの価値が上がるということは、トークンを所有するプロトコル自体に外部から流入する資金が捕捉されることに等しく、これは必ずしもトークンの価格上昇を伴いません。しかしこの捕捉された資金をプロトコルを強化する用途で用いることができれば、これは単純なトークン価格上昇よりも遥かに肯定的な影響をプロトコルにもたらします。

Value Accrualの3手法

トークンの価格上昇はValue Accrualの副産物に過ぎず、Value Accrualなしの価格上昇は実体のない価値の装いに留まります。Value Accrualは、主に以下3つの手法をもって達成されます。それぞれの具体的な実現方法や成功事例について見ていきましょう。

  1. エコシステムへの再投資
  2. ガバナンス
  3. ディストリビューション・マネジメント

エコシステムへの再投資

プロトコルが得た収益を、トークンエコシステムを成長させる目的で再投資することを指します。企業が収益を再投資して事業の成長を促し、製品ラインナップを増やしたり顧客層を拡大したりするのと同じ仕組みです。

この手法は、Liquid Stakingの大手であるLidoプロトコルにおいて顕著です。Lidoの収益はプロトコルのトレジャリーを増加させるか、補完的なプロダクトや機能の作成のためにエコシステムに再投資されています。利益の再投資によりエコシステムからの資本流出を防ぎ、プロトコルの将来的な利益拡大の可能性を高め、提供価値を強化するために優良なサービスを構築する開発者やコミュニティメンバーに資金に利益が還元されました。

しかし、いつ・どれほどのプロトコル収益をトークン所有者に分配するか、または再投資を続けるかに対する不確実性は、プロトコルのガバナンス構造やトークン所有者の意向によって判断される重要な問題として残ります。

ここで注意すべきは、エコシステムへの再投資はトークンそれ自体の価格上昇を必ずしも導くものではないという点です。これはあくまで、利益の分配、プロトコルへの出資またはガバナンス投票の潜在的価値を高める手段でしかありません。

トークン保有者は、いつトークンの保有者に対してトレジャリーを分配するかを決めることができます。Lidoプロトコルの現在の方針は、トレジャリーの規模を拡大し続けることです。

ガバナンス

Value Accrualの2つ目の手法としてのガバナンスは、トークン保有者がプロトコルの機能、リソース活用の方向性、将来のロードマップなど経済的または政治的方針の決定に関わるプロセスです。

Curve Financeを例にとると、ガバナンス・トークンのCRVが投票権の機能を持っています。Curveの流動性プロトコルとしての成長はその流動性の高さに依拠しているため、CRVホルダーにはプールに等しく流動性を確保して、プロトコルの認知拡大に寄与するインセンティブが働きます。

このような投票権限は、同プロトコル内の経済的・社会的に価値がある場合、トークンの強力な価値の源泉となる点です。しかし、ガバナンスが名ばかりで影響力がない場合、Value Accrualに繋がらない可能性は高くなります。最終的にValue Accrualは、価値を獲得するよう設計されたトークノミクスと純粋なトークンへの需要・認知の拡大の組み合わせによってもたらされます。

ディストリビューション・マネジメント

Value Accrualの3つ目の手法であるディストリビューション・マネジメントには、トークン供給における分配方法や方向性を決めるプロセスです。プロトコルはトークン保有者に価値を還元することで、トークンの価格変動リスクを取ってでも、そのトークンを保有しようと思うインセンティブを提供します。

具体的には、プロトコルの収益を活用してトークンを市場でバイバックし、バイバックしたトークンをバーンすることでトークンの供給量を減らし、1トークンあたりのガバナンス投票権を強化することです。トークンをバーンすることによって、総供給量に含まれるほかの全てのトークンに、バーンされたトークンの「価値」を平等かつ即座に再分配することが可能となるよう企図されています。

当然ながら、バイバックの実施は流動性供給されているトークンの一部の買い戻しを通じてトークンの価格に影響を与える(トークン価格は一般的に上昇する)ため、バイバックの実施は市場に大きく影響します。

一方、バイバックのタイミングが予測できる場合、投機家にとっては裁定取引の機会が存在するため、バイバックの手法やエコシステムへの還元は細心の注意をもって設計することが望まれます。更に、バイバック/バーンのコミットメントを発表するだけで、買い手の流動性(自社トークンとペアで供給されているトークンの流動性、ステーブルコインまたはサービスを展開しているブロックチェーンの基軸トークンが用いられることが一般的)が将来にわたり一定以上存在し続けうることへの心理作用によって、実際のバイバック/バーンそのものよりも多くの価格への影響を引き起こす可能性があります。

結論

トークンのValue Accrualに正解はありません。トークノミクスは需要、注目度、及びその他多くの要因を備える必要があり、同時に価値を効果的に捉えて分配することが求められています。トークノミクスの原点となるトークンの経済的価値は、トークンのエコシステムの外で生まれ、エコシステムに入り、そして当該エコシステム内に滞留する価値を指します。

すなわち、イーサリアムやほかのインフラストラクチャー層の基軸トークンが代替手段として働く場合、自社発行トークンがユーザーに保有され続けることは難しくなるため、自社が管理する経済的価値はどのように分配されるのか、当該経済的価値はどこに分配されるのか、需給バランスやインフレ率は現実的か、流動性が健全であるか否かを常にモニタリングしていくことも求められます。

我々としては、本理論にもとづく革新的なユースケースを柔軟に取り込むことでアップデートを継続し、本質的なトークン価値に向き合っていきます。

DeFimansでは、web3全般に関する支援や、トークノミクス設計〜施策実行まで幅広いワンストップ支援をご提供しております!ご興味のある方は、ぜひホームページからお問い合わせください!