DeFimans注目記事ピックアップ：米上院、ステーブルコイン法案の審議加速でGENIUS法案を前進させる投票を実施
DeFimans注目ポイント：注目のステーブルコイン規制法案
要点
・GENIUS法案の討議終結動議が可決されたことにより、共和党と民主党の指導部が法案に関する討論を短縮する合意に達しない限り、月曜日には最終的な採決が行われる見込みです。
・この上院法案は、ステーブルコインが米ドルまたは同等の流動資産によって完全に裏付けられることを義務付け、時価総額が500億ドルを超える発行者には年次監査を課すものです。
米上院は賛成68、反対30で、ステーブルコインを規制する法案を前進させることを決定し、間近に迫った最終投票への道筋をつけました。
上院は水曜日、「米国のステーブルコインに関する国家革新の指導と確立法（Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act）」、通称GENIUS法案の討議終結を可決しました。これにより、さらなる討論への道が開かれました。
法案の共同提案者の一人である上院銀行委員会のティム・スコット委員長（共和党、サウスカロライナ州）は、この法案はイノベーションと国家安全保障にとって重要な勝利であると述べ、超党派の努力を指摘しました。
スコット氏は採決前の院内演説で、「私がはっきりさせておきたいのは、これは偶然に起こったことではないということです。私たちが主導したからこそ起こったのです。ワシントンは行動できないと言った人々へ、超党派主義を疑った人々へ、彼らが間違っていることを証明しようではありませんか」と述べました。
ニューヨーク州のチャック・シューマー上院院内総務、ミネソタ州のエイミー・クロブシャー氏、マサチューセッツ州のエリザベス・ウォーレン氏など一部の民主党議員が法案に反対票を投じました。一方で、アリゾナ州のルーベン・ガレゴ上院議員など、他の民主党議員は賛成票を投じました。
この上院法案は、ステーブルコインが米ドルまたは同等の流動資産によって完全に裏付けられることを義務付け、時価総額が500億ドルを超える発行者には年次監査を課し、海外での発行に関する文言を追加するものです。
ドナルド・トランプ大統領の顧問らは月曜日、政権政策声明の中でこの法案への支持を表明しました。トランプ氏は8月までにステーブルコイン法案に署名できるよう、デスクに置きたいと述べています。
声明によると、「もしS. 1582が現在の形で大統領に提出されれば、彼の上級顧問らは署名を勧告するだろう」とのことです。
GENIUS法案の討議終結動議が可決されたことにより、共和党と民主党の指導部が法案に関する討論を短縮し、最終投票を前倒しをする合意に達しない限り、月曜日には最終的な採決が行われる見込みであると、上院補佐官がThe Blockに語りました。
一方で、GENIUS法案が上院を通過した場合の下院での行方は不透明です。下院金融サービス委員会は、独自のステーブルコイン法案である「より良い台帳経済のためのステーブルコインの透明性と説明責任法（Transparency and Accountability for a Better Ledger Economy Act）」を5月に32対17で委員会通過させています。
下院本会議ではまだこの法案の採決は行われていません。
上院と下院は、それぞれの法案について合意に達する必要があり、両法案は、発行者を州レベルと連邦レベルでどのように規制するかについて違いがあります。また、テザーのような海外発行者をどのように規制するかについても異なっています。
課題
上院本会議は5月にGENIUS法案の討議終結を可決しましたが、最初の試みでは民主党からの支持は得られませんでした。約1週間後、上院は賛成66、反対32で討議終結を可決しました。
民主党は、海外発行者に関する規定、マネーロンダリング対策基準、企業によるステーブルコイン発行の可能性、そして最近ステーブルコインを立ち上げたベンチャーを含むトランプ氏の暗号資産ベンチャーとの関係深化について懸念を表明していました。
トランプ氏とその家族はデジタル資産を受け入れており、2025年の就任式の直前に独自のミームコインを立ち上げ、その他いくつかの暗号資産への取り組みを行っています。彼と関係のあるベンチャー企業、World Liberty Financialは最近ステーブルコインを立ち上げ、一方でTrump Mediaは数十億ドル規模のビットコイン財務を構築する計画です。
トランプ氏の暗号資産への進出は、暗号資産業界全体を規制する法案を進めようとしている議員にとっても争点となっています。一部の議員は、ステーブルコイン法案とより大規模な暗号資産市場構造法案を統合する案を提唱しています。
火曜日の夜、下院金融サービス委員会は賛成32、反対19でこのような暗号資産法案を前進させることを可決しましたが、民主党からはトランプ氏の利益相反に対処するための多数の修正案が提出されました。同日早く、下院農業委員会は賛成47、反対6で同法案を可決しました。
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