DeFimans注目記事ピックアップ:GENIUS法案が上院で承認されるも、主要な規制上の疑問は残る

DeFimans注目ポイント:ステーブルコイン法案最新動向
下院の民主党員には、上院の同僚が持っていたようなステーブルコイン法案を阻止する力はないものの、そのプロセスは時間を要しながら進む可能性が高い。
上院は、18人の民主党員が賛成票を投じたことでGENIUSステーブルコイン規制法案を68対30で可決した。これにより法案は下院に送られ、暗号資産業界初の大きな立法上の勝利となった。では、次に何が起こるのか?
下院は今後、GENIUS法案に投票もしくは修正することになるか、あるいは数ヶ月にわたって取り組んできた独自のSTABLE法案との一本化を審議することになる。STABLE法案は、大部分が類似しているものの完全には一致していない。
下院が独自法案審議を完全放棄する可能性は低いため、まずはSTABLE法案を可決し、その後GENIUS法案の上院担当者と合同会議での両案一本化の算段が高い。
両法案にはいくつかの重要な違いがあり、一本化に向けては労力を要する。上院のGENIUS法案は、規制権限の大部分を財務省に与えている。一方で下院のSTABLE法案は、権限の一部を連邦準備制度理事会(FRB)や銀行を監督する通貨監督庁(OCC)、その他の機関に与えている。
また、STABLE法案は州の規制当局がステーブルコイン発行者を監督することを認めているのに対し、GENIUS法案はその監督を時価総額100億ドル未満のステーブルコインに限定している。
したがって、両法案は似ているものの、その違いは小さくない。
下院での戦いが迫る
上院は法案の可決に非常に苦労したが、その一因はフィリバスター(議事妨害)規則にある。これは、法案の討議を打ち切って採決にかけるために60票の絶対多数を必要とするものだ。一方で、下院にはそのような規則はなく、単純多数決で可決される。現在、共和党は5議席の過半数を保持している。
上院では、民主党員が在任中の大統領が暗号資産から利益を得ることを禁じる修正案を付けようとしたことで法案審議が行き詰まった。これは、2024年にドナルド・トランプ大統領が様々な暗号資産の投資により、5700万ドルを得たことが財務公開フォームによって明らかになったことへの当てつけであった。上院民主党は、立法府および行政府のメンバーに対する財務公開要件を強化する修正案や、いくつかの追加的な消費者保護策を可決することができた。
シンシア・ルミス上院議員(共和党、ワイオミング州)は今年5月にラスベガスで開催されたビットコイン2025カンファレンスで「我々はステーブルコインから始めるのが最も簡単だと考えていました。しかし、実際は非常に困難でした。これほど大変だとは思いもしませんでした。」と述べた。
下院の共和党はわずか5議席という僅差の過半数ではあるものの、党の規律を維持できれば、民主党員抜きでSTABLE法案またはGENIUS法案を可決できるものの、上院同様多くの下院民主党員が、同様のトランプ氏に焦点を当てた修正案なしでは法案に反対票を投じる兆しがある。
それ以外にも、下院民主党が修正案を追加したり、時間のかかる委員会投票を要求したりして、どちらの法案の可決も遅らせる方法は数多くあり、下院でのステーブルコイン法案の審議は、GENIUS法案が上院で直面した多くの時間を要する困難に直面する可能性が高い。ただし、下院民主党には、上院のように法案を完全に阻止する力はなく、可決される算段は高い。
元記事はこちら
https://thedefiant.io/news/regulation/genius-act-gains-senate-approval-but-key-regulatory-questions-remain