DeFimans注目ポイント:トランプ一族系のWLFIが、自社トークン担保に大規模借入—清算連鎖リスクが浮上

このDeFiプロジェクトの財務(トレジャリー)は、過去1週間でDolomite上に30億WLFIトークンを担保として預け入れ、7,500万ドル相当のステーブルコインを借り入れた。

トランプ家と関連するDeFiベンチャーであるWorld Liberty Financial(WLFI)は、レンディングプロトコルDolomiteからおよそ7,500万ドルのステーブルコインを借り入れた。Dolomiteは、WLFIの最高技術責任者(CTO)であるCorey Caplan氏が共同創業したプロトコルである。

オンチェーンデータによれば、WLFIの公式トレジャリー・マルチシグは過去1週間で約30億WLFIトークンを中継用ウォレットを経由させた後、その全量をDolomiteに担保として預け入れた。同ウォレットは以前にも約20億WLFIをDolomiteに直接預け入れている。Dolomiteの統計ページによれば、これらの担保ポジションは4月9日時点で約4.6億ドル相当と評価されている。

新しいウォレットでは、チームはUSD1を6,540万ドル、USDCを1,030万ドル借り入れており、合計は約7,570万ドルとなる。ただしオンチェーンデータによれば、そのうち1,500万ドルは4月7日に返済された。

World Liberty Financialは1月、Dolomiteとの提携によりWorld Liberty Marketsを立ち上げ、USD1ステーブルコイン向けの貸借サービスを提供し始めた。つまりWLFIは、自社幹部の一人が構築したインフラ上にフラッグシップのDeFiプロダクトを展開し、さらにその同じプラットフォーム上でトレジャリーを用いて最大の借り手となった構図である。

現在、WLFI担保はDolomiteの預入額の半分超を占めている。この構図は、創業者が自社ガバナンストークンを担保に活用して問題を招いたDeFi史上の警戒すべき事例と比較されている。

2024年6月には、Curve Financeの創業者Michael Egorov氏が複数のレンディングプロトコルでCRVを担保に約1億ドルのステーブルコインを借り入れた結果、約8,000万ドル相当のCRV清算に追い込まれた。当時、Egorov氏は約1.4億ドル相当のCRVポジションから売却せずに約1億ドルのステーブルコインを引き出した(実質的なキャッシュアウト)と見る向きもあった。

この手法はさらに古い前例も想起させる。2022年1月、Wonderlandの共同創業者Daniele Sestagalli氏と0xSifu氏は、自身のFrog Nationエコシステム内のレンディングプロトコルAbracadabraで、ステークしたTIMEトークンを担保にレバレッジをかけた結果、連鎖的な清算に見舞われた。創業者らの過大なポジションによりTIMEは数時間で800ドルから360ドルへ急落し、清算された担保が弱い市場に売り浴びせられることでさらなるマージンコールを呼ぶ悪循環が発生した。

DeFiアナリストのEthan氏は、WLFIの動きはトークンを直接売却せずに流動性を引き出す類似のメカニズムだと述べた。一方Ignas氏は、WLFIを担保にした借入は最終的に返済不能になり得ると警告した。

■WLFI、史上最安値へ

Coingeckoによれば、WLFIトークンは4月9日に一時約10%下落して0.0885ドルに達し、取引開始以来の最安値を付けた(※原文では”September 2025″とあるが、WLFIトークンセールは2024年秋に開始されており、時期に齟齬がある可能性あり)。

板の薄さがリスクを増幅する。仮に誰かがWLFIを積極的にショートすれば、価格下落が清算連鎖を引き起こしかねない。流動性の乏しいガバナンストークンが数十億単位で存在するなか、Dolomiteにはそれを円滑に清算する手段がなく、連鎖を吸収しきれない恐れがある。

USD1は米国債と現金同等物に裏付けられており、完全なデペッグのリスクは限定的だ。しかしUSD1の流通量はすでに40億ドルを超えており、Dolomiteで危機が発生した場合の影響はWLFIトークンの範囲を大きく超える可能性がある。

この件は別の疑惑とも並行して進んでいる。The Timesの調査によれば、WLFIはUSD1を東南アジアのブロックチェーンプロジェクトAB DAOと統合していた。AB DAOはカンボジアのPrince Groupに関連するリゾートを宣伝していたとされ、Prince Groupの創業者Chen Zhi氏はオンライン詐欺への大規模な関与が疑われるとして11月に米英当局から制裁を受けている。WLFIはAB DAOの過去の関連性について認識していなかったと述べた。

World Liberty Financialは今回の借入について公的声明を出しておらず、DolomiteもThe Defiantのコメント要請に直ちには応じなかった。

元記事はこちら

URL

https://thedefiant.io/news/defi/world-liberty-financial-has-borrowed-millions-against-its-own-token